2016年10月19日

半日単位の年休はどう決める?

こんにちは。今日は年休についてのお話です。

 当社は、年次有給休暇の半実単位での取得を認めています。始業9時、終業18時、休憩が12時から60分間となっているので、半日は午前・午後で分けて、午前は3時間、午後は5時間となります。
 そのため、従業員より、午前に半休を取ると1時間多く働いていることになる、という意見があります。午後の半休も自由に取れるので問題はないという意見もありますが、できるだけ不公平がないようにするにはやはり所定労働時間の半分ずつで区切るのが適切な方法なのでしょうか。ほかに良い方法があれば教えてください。

「半日」の定義はない

 年次有給休暇は、原則として一労働時間を単位とするもので、使用者は労働者に半日単位で付与する義務はないとされていますが、使用者が認めれば、半日単位で付与しても差し支えないことになります。

 この場合の「半日」とは、法令においては定めがありませんが、労働日における「1日」が午前0時から始まる歴日を単位とするのが原則とされているので、一般には、午前・午後をそれぞれ半日とするのが適当であるという考えがあります。このほうが労働者の休養にあてるという年次有給休暇の趣旨からしても、昼の休憩時間を境にすれば半日休暇が取りやすいという面があるでしょう。

 しかし、午前と午後で所定労働時間の長さに偏りがあると、この方法が正しいのかどうか疑問がでるのもやむを得ないところです。

 最終的には、使用者の判断で半日の単位の扱いを決めれば良いのですが、偏りがないように、1日の所定労働時間の半分の区切りで決めたとしても、質問のケースの場合、後半で半日休暇を取得した場合は、午前の3時間に加えて休憩時間帯にも1時間分勤務しなければならず、運用の面で使い勝手がよくないこともあります。

「時間単位年休」の活用も

 労働基準法では、労使協定を締結することにより、1年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を付与できることも定められています。

 時間単位も可能にすれば、従来の午前・午後にそれぞれの所定労働時間分の休暇を取得したことになり不公平感も解消され、また半日まで必要がない場合に、必要な時間でを取得することもできるので、使い勝手も良くなります。

 このように、年休の管理で複雑にはなりますが、半日単位の与え方で不満や問題を抱えたままより、時間単位を取り入れたほうが良い場合もあるでしょう。

 時間単位の年次有給休暇は、導入にあたって労使協定に定めておくべき内容として、次の4項目が決められています。
  1. 時間単位年休の対象労働者の範囲
  2. 時間単位年休の日数
    (年5日を上限として定める)
  3. 時間単位年休1日の時間数
  4. 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数

 なお、年休の時間単位付与を導入した場合でも、半日単位の付与を残すことができます。したがって、時間単位での取得と半日単位での取得を使用する場合は、その扱いについても決めておくことが望ましいでしょう。




posted by 鶴田事務所 at 16:53| Comment(0) | 業務関連記事

2016年09月02日

社会保険の実務サポート1(厚生年金保険料)

こんにちは。
今日は「同一月に資格を取得・喪失した場合の厚生年金保険料の扱い」についてお話します。

保険料の徴収

 毎月の給与にかかる厚生年金および健康保険の保険料は月単位で計算・徴収され、被保険者資格を取得した日の属する月から資格を喪失した日(退職の場合は退職日の翌日)の属する月の前月分まで納める必要があります。

 入社(資格を取得)した日が月の途中であっても、その月の分として1か月分の保険料がかかります。また、喪失する場合、たとえば、月の末日に退職した場合は、翌月の1日が資格喪失日になりますので、退職した月文までの保険料がかかります。しかし、月の途中(末日以外で)退職した場合は、資格喪失日はその月のいずれかの日になるので、その月の保険料は納める必要がありません。

同じ月に取得・喪失した場合

 同じ月に入社と退職をして、被保険者資格の取得日が同じ月にある場合は、原則として、その月1か月分の保険料の納付が必要となります。

 ただし、厚生年金の被保険者資格を取得した月にその資格を喪失し、さらにその月に国民年金の被保険者(第2号保険者は除きます)資格を取得した場合には、厚生年金保険料の納付は不要になります。(この取扱いは平成27年10月1日からです)

 退職後に国民年金の第1号被保険者(無職、自営業など)になる場合は、その月は国民年金保険料だけを納めることになり、退職後に第3号被保険者になるケースでは、その月の国民年金保険料もかかりません、

 この場合、該当する被保険者が国民年金に加入したことを年金事務所が確認した後に、在籍していた事業所宛に厚生年金保険料の還付についてお知らせが送付されることになっています。

 なお、第1号被保険者になる場合は本人が手続きをし、第3号被保険者になる場合は配偶者の所属する事業所を通して手続きをしなければなりませんので、この手続きが済むまでは還付の通知はありません。
図解1.gif

 還付されるのは該当する月にかかる厚生年金保険料(被保険者負担分と事業主負担分の合計額)ですので、すでに退職した被保険者から徴収していた場合は、それを本人に返すことが必要となります。

健康保険料の扱い

 この取扱いは厚生年金保険料に関してだけですので、同じ月に資格を取得、喪失した健康保険の被保険者が、さらにその月に国民健康保険に加入する場合は、すでに健康保険料が徴収されている場合であっても、それが還付されることはありません。 




posted by 鶴田事務所 at 11:58| Comment(0) | 業務関連記事

2016年08月18日

年少者に時間外労働について

こんにちは。18歳未満の残業についてのお話です。

 食料品を扱う会社を経営していますが、年の暮の忙しい時期に、18歳未満の男子をアルバイトで使うことにしました。
 18歳未満の者を使用する場合は法律に規制があることは何となく知ってはいますが、忙しいときには時間外労働をさせてもよいのでしょうか。そのほか注意すべき点があれば教えてください。

原則として時間外労働はさせられない

 労働基準法では、満18歳に満たない者(年少者)の労働時間について、原則として時間外・休日労働、変形労働時間制は適用されません。したがって1日8時間、1週40時間の法定労働時間の範囲で労働させることが必要となります。

 例外的に、災害その他避けることのできない事由により臨時の必要がある場合には、時間外労働、休日労働は認められますが、単に忙しいからという理由だけでは、「臨時の必要がある」とは認められないので、1日8時間を超える時間外労働をさせることはできません。

 また、満15歳以上18歳未満のものについては、満18歳に達するまでの間(満15歳に達した日以降の最初の3月31日までの間を除く)は、次のとおりに定められています。
1週間の労働時間が法定労働時間を超えない範囲で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の労働時間を10時間まで延長して労働させることができる。


 このように、1週間のなかで日によって異なる労働時間を設定すれば、時間外労働に対する割増賃金は必要ですが、特定の日に法定労働時間を超えて10時間まで労働させることはできます。しかし、年少のアルバイトに長時間労働をさせるのはあまり好ましいことではありませんので、あくまで原則どおりとして、こうした例外的な労働時間の設定はできれば避けたいものです。

深夜労働も原則禁止

 午後10時から午前5時までの深夜労働についても、満18歳未満の者は原則として禁止されています。例外的に、満16歳以上の男性を交替制によって使用する場合や災害等による臨時の必要がる場合、農林・水産業や保健衛生の事業など、一定の場合に限り、深夜労働が認められています。

その他の注意事項

 労基法では、年少労働者の安全衛生の観点から、満18歳未満の労働者に危険が及ばないように、厚生労働省で定める危険な業務や重量物を扱う業務、おおび有害な原材料を扱う業務に就かせることは禁止されています。

 また、満18歳未満の労働者について、その年齢を証明する戸籍証明書(住民票記載事項証明書等)を事業場に備えなければならないことになっています。

 最近のアルバイト学生を対象とした調査結果では、労働条件を書面などで明確に伝えていないケースが半数以上にもなりという状況です。アルバイトであっても、労働条件を文書でしっかり伝えておくことが重要となるでしょう。








posted by 鶴田事務所 at 11:56| Comment(0) | 業務関連記事