2017年08月21日

子の看護休暇の「半日」はどう考える

こんにちは。今日は看護休暇についてのお話です。
 当社では、子の看護休暇を就業規則に定めていますが、育児・介護休業法の改正にあわせて、半日単位でも看護休暇を取得できるように規定を変更しようとしています。
 当社にはパート労働者も多いので、実際に看護休暇を半日単位で取ることを可能にする場合、具体的な取り方などはどう考えておけばよいのでしょうか?

子の看護休暇の改正

 子の看護休暇とは、小学校就学前の子を養育する労働者が申し出ることにより、病気やけをした子の看護のために、または子に予防接種や健康診断を受けさせるために、取得することができる休暇制度をいいます。

 育児・介護休業法では、子の看護を行う必要がある日に1日単位で取得する休暇とされていますが、このたびの法改正により、平成29年1月1日からは半日単位の取得ができるようになります。

 従来でも、事業主の判断で半日単位での取得を認めることは差し支えないとされていましたが、法で明確に定めることで、看護休暇はより利用しやすいものになるとしています。

 看護休暇は、小学校就学前の子が1人の場合は1年度に5日まで、2人以上の場合は10日まで取得できます。半日単位での取得ができるようになると、子が1人の場合でも最大で1年度に10回の半日の看護休暇が取れることになります。

「半日」の考え方

 今回の改正では、半日単位の考え方ついても示されています。それによると、半日単位は、基本的には1日の所定労働時間の1/2であって、始業時間から連続し、または就業時間まで連続し、または終業時刻まで連続するものをいいますが、労使協定を締結することにより、所定労働時間の1/2以外でも、「半日」とすることができます。

 たとえば、1日の所定労働時間が8時間の労働者の場合は、「始業時刻から3時間、または終業時刻まで5時間」などとあらかじめ決めておきます。この場合、労使協定に定めた時間数が半日となるので、午前の3時間を2回とれば1日分の看護休暇を取得したことになります。また、半日とする時間数は1時間単位である必要はなく、分単位でも定めることができます。

 ただし、パート労働者については、1日の所定労働時間が4時間以下の場合は半日単位での取得は適用除外としています。

 このように、子の看護休暇の半日単位の考え方は、年次有給休暇を半日単位で与える場合(法に定めがなく、事業主の判断で与えることが可能)と異なり、所定労働時間の1/2以外の時間数で取得できるようにするには、労使協定で定めたとおりにしなければなりませんので、どう運用するかなど、あらかじめ検討することが必要となるでしょう。






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2017年07月01日

夏季の労働災害防止と健康管理

こんにちは。今日は夏に気を付けたい労働災害についてのお話です。

今年の夏

 梅雨が明けると一気に暑い日が増え、最高気温が30度以上の真夏日や、35度以上となる猛暑日が続きます。
 日本気象協会では今年の夏について、関東から東海でかなり暑く、近畿以西でも普段よりも暑いと予報しています。また、近年は上空を流れる偏西風の南側を中心に高温傾向となり、さらに、太平洋赤道域の海面水温が高い影響で、大気全体の温度が高く、暑い夏になりやすいと言われています。
 そこで今回はこの暑い夏における労働災害及び健康障害の防止の観点から、何に気を付ければよいかを見ていきたいと思います。

夏季に起こる災害のメカニズムと健康障害

 暑くなると人は体調不良になりやすく、また、作業時における注意力が低下しがちになります。このような状態においては、ヒューマンエラーが誘発されやすくなります。

 例えば暑さのため睡眠不足になって大量の汗をかき疲れやすくなることで、注意散漫となり、通常では行わないような行動をしたり、また、行わなければならない確認を怠ったりします。特に屋外での作業を行う業種では直接暑さを体感しますので、集中力、注意力が低下するリスクが高いと言えます。

 また、熱中症による健康障害も考えなければなりません。熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。症状は、めまい・筋肉痛・頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・意識障害・手足の運動障害等が現れ、重症になると死に至ります。

 特に発症リスクが高いのは、高齢者や睡眠不足・前日の飲酒・肥満の人、糖尿病・高血圧・心臓疾患・精神神経疾患等で治療中の人、下痢・脱水症状のある人などと言われています。このような人が職場にいたら熱中症の発症リスクが高いで、気を付けることが必要です。

夏季の災害防止対策と健康管理

 夏季における労働災害の発生を防止するためには、社員一人ひとりが自己の体調管理を怠らないようにし、また、管理者は社員の体調を把握し、ミーティングや巡視の回数を増やして不安全行動に陥らないようチェックすることが必要です。
 また、熱中症対策としては、労働衛生の三管理の徹底が必要です。
 作業環境管理としては、熱中症指標計等によりWBGT(暑さ指数)測定を行い、水分や塩分を補給する者を備え付け、冷房を備えたまたは日陰などの涼しい休憩場所を設けること、
 作業管理としては、作業休止時間や休憩時間を確保し、作業の前後、作業中の定期的な水・塩分の摂取を指導すること、
 健康管理としては、発症リスクの高い人に注意し、労働者の健康状態等の確認を日頃より行うことなどです。

しっかりした対策を

 今年の夏も暑くなることを覚悟しそれに備えた対策をしっかり講じて、暑い夏を乗り切っていきましょう。



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2017年05月18日

身元保証人への損害賠償請求はどこまでできるか

こんにちは。今日は採用の際の身元保証人についてのお話です。

 当社では、社員を採用した際に身元保証書を提出させています。今まで身元保証人に損害賠償を請求することはありませんでしたが、実際に必要な事態が生じたときに、身元保証人に対してどこまで損害賠償を請求できるものなのでしょうか。


身元保証とは

 正規労働者を採用するときには、他の提出物とともに、親族などを保証人とする身元保証書を提出させる企業も多いことでしょう。身元保証とは、一般的に労働者の身元保証人と使用者の間において、労働者の行為により使用者が損害を受けた場合に、身元保証人が連帯して損害を賠償することを承諾する内容の契約のことをいいます。

身元保証に関する法定事項

 身元保証については、身元保証人の責任を適正な範囲に制限するため、「身元保証ニ関スル法律」に次の事項が定められています。
(1)身元保証期間
 身元保証の契約期間を定める場合は、5年を超えることはできません。期間を定めなかった場合は、有効な期間は原則として3年とされます。また、更新する場合は、更新時より5年を超えることはできません。したがって、更新は自動更新ではなく、改めて身元保証書を取りつける必要があるものだと解されています。

(2)保証責任の程度
 裁判所は、身元保証人の損害賠償責任に関しては、労働者の監督責任がある使用者の過失の有無、身元保証を引き受けるに至った事由、身元保証人ができる注意の程度、労働者の任務や身上の変化など、一切の事情を考慮するものとしています。

 これらの規定に反して身元保証人にとって不利な特約をしても、その特約は無効とされます。

損害賠償責任と請求

 身元保証人に対する損害賠償請求は、使用者が労働者に対して損害賠償を請求できることが前提となります。

 労働者の業務上の行為により損害が発生した場合でも、労働者に故意または重大な過失が認められないような場合には、使用者による損害賠償請求が棄却されるケースもあり、その場合には、損害賠償責任を身元保証人に転嫁することはできないことになります。

 また、裁判所が身元保証人に対する損害賠償請求を認めたケースでも、請求額の全額を認めたケースはまれであるとされています。通常は前記のとおり一切の事情が勘案されることにより賠償責任が軽減され、とくに使用者が必要な通知や十分な説明を怠っていた場合や、会社側の管理体制に不備が認められる場合などは、請求額をかなり下回る額で決定されることもあれいます。




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