2016年12月11日

出来高払い制でも給与は保障するべきか

こんにちは。今日は出来高払い制についてのお話です。
 当社では、今年から新規事業拡大のため契約型の営業社員を増やすことにしました。営業経験が豊富な者を採用して、当初3ヶ月間は固定給、その後は固定給をなくし、営業成績に応じた出来高払い制とする新しい給与形態も検討しています。
 この場合、製菓が上がらなかった月でも、ある程度の給与を支払うことを決めておかなければならないでしょうか?

出来高払い制の保障額

 昨今、営業社員に一定のノルマを課す企業は少なくなっているようですが、出来高払い制などの営業成績に応じた賃金制度を導入し、業績と人件費をれんどうさせて経営の安定を図る企業もあるでしょう。

 しかし、労働基準法(第27条)では、
出来高払い制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
と定められていて、これに違反して賃金の保障をしない使用者は、30万円未満の罰金に処せられます。

 同法では保障の額についての明確な規定はありませんが、保障額の趣旨に関する通達では、労働者の責に基づかない事由によって賃金が低下することを防ぐために保障給が必要だとして、常に通常の賃金とあまり隔たらない程度の収入が保証されるように額を定めるものだとしています。また、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払われる休業手当が平均賃金の6割以上とされているため、これを目安として保障することが妥当だと考えられています。

労働時間との関係

 前記のとおり、出来高払い制における保障給は労働時間に応じた一定額であることが必要です。したがって、実際に就労した時間に対して1時間あたりの保障給を決めておくことが原則となるでしょう。

 それであれば、有給休暇を除いて労働者が自らの都合で実際に就業しなかった場合には、この時間に対する保障給を支払う必要はありません。

 また、出来高払い制の賃金でも、最低賃金法に基づいて都道府県ごとに定められた地域別最低賃金(または地域内の特定の産業に定められた特定最低賃金)を下回ることはできません。現在の最低賃金は時給で定められていますので、時間あたりで定める保障給の額も最低賃金以上でなければ法違反となってしまいます。

明確にしておくことがトラブルの防止

 賃金に関する事項は、使用者が労働者に対して書面で明示することが義務付けられていて、就業規則においても必ず記載しなければならないものとされています。

 したがって、出来高払い制を導入するときは、単に出来高払い制を適用することだけでなく、出来高払い制の基準や賃金の計算方法、保障給についても明らかにしておくことが、無用なトラブルを防ぐためには重要と言えるでしょう。

 






posted by 鶴田事務所 at 15:41| Comment(0) | 業務関連記事