2015年10月01日

精勤手当は割増賃金の計算基礎に入れるべきか

こんにちは。
しばらく更新ができておりませんでしたが、その間に厳しい夏が通り過ぎてゆきました。季節は雨ごとに秋へと向かっております。さて、今日は割増賃金のお話です。

 当社は、シフト勤務制のパート従業員に対して、基本給(時間給)のほかに、1ヵ月のシフトを自分の都合で変更することなく勤務した場合には、1ヵ月4,000円の精勤手当を支給しています。
 このほど、あるパート従業員より、いつも精勤手当がついているが、深夜勤務の割増分(25%)に精勤手当は入らないのか、という質問を受けました。精勤手当は支給しない場合もあるので、支給した場合でも深夜勤務の時間給にはいれていませんが、問題がありますか?


割増賃金の計算に算入するべき賃金

 労働基準法(第37条)では、使用者に対して、時間外労働、休日労働および深夜労働については、つうじょうの労働時間または労働日の賃金(通常の賃金)に一定率を乗じた額の割増賃金の支払いを義務づけています。
 また、割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金として、労基法および同法施行規則(第21条)において、次のとおり定められています。
  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金
 これら7種類の賃金は、限定列挙されているものですので、通常の賃金であって、これら以外の賃金は割増賃金の計算の基礎になります。また、これらの賃金はその名称にかかわらず、実質によって判断され取り扱われるものとされています。

精勤手当はどう扱うか

 精勤手当は勤務に関する要件を満たした時に支給されるものだとしても基本的には毎月支払われるものであれば、「臨時に支払われた賃金」や「1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」のいずれにも該当しないと考えられるので、割増賃金の計算の基礎に算入するべき賃金といえます。

 割増賃金を計算する際は、時間によって定められた賃金については、その金額を基礎に、月によって定められた賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1ヵ月の平均所定労働時間数)で除した金額を基礎として割増率を乗ずる定められています。このほか、日給や週給、出来高制などについても計算の方法が定められています。(労基法施行規則第19条)

 質問のケースでは、シフトどおりに勤務することが通常であるという前提でみれば、精勤手当は月単位で金額が決められているので、実際に支給されるときは、これを「月によって定められた賃金」として割増賃金の±の基礎に入れる必要があります。

 したがって、精勤手当が支払われた月に深夜勤務の割増賃金を支払うときは、精勤手当の1時間あたりの額を前記の方法で算出して、これを通常の時間給に加算することにより、1時間あたりの割増賃金の基礎額(割増率を乗ずる前の金額)を算出することになります。  


posted by 鶴田事務所 at 16:18| Comment(0) | 業務関連記事